2006 Fiscal Year Annual Research Report
高効率イオン輸送のための酸化物複合体微粒子のソノケミカル作成
Project/Area Number |
18686079
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
日比野 光宏 京都大学, エネルギー科学研究科, 助教授 (20270910)
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Keywords | 高速イオン輸送 / 超微粒子 / ソノケミストリー / リチウムイオン電池 / 高速充放電 / 複合材料 |
Research Abstract |
酸化鉄材料はリチウムイオン電池電極材料として、環境負荷、価格の面から最も望まれている材料の一つである。鉄系に関してはリン酸鉄リチウムが見出され、期待がもたれている。予備的な検討により合成時に炭素材料を導入することで高速充放電が可能な複合電極が作製できたため、遷移金属酸化物、特に酸化鉄と炭素の複合材料作製を目指して研究を進めた。 緩衝溶液でpH調整した0.1M Fe2+水溶液にアセチレンブラック(AB)を加えて撹拌した。沈殿を分離、乾燥後、真空熱処理することで試料を合成した。これらの条件は十分な検討を行った結果のもので最適条件を見出している。 試料は、アセチレンブラックを含んだγ-Fe_2O_3と同定できた。X線回折ピークの半価幅から見積もった結晶子サイズは6nm程度であった。SEM観察においては、数十ナノメートルサイズの凝集粒子が見られた。 充放電特性は良好であり、電流密度1A/g、電位範囲1.5〜4.3V(vs. Li+/Li)で行った充放電測定では、1サイクル目の放電容量は約であり、50サイクル後も約と高容量を維持していた。50サイクル終了後の電極材料について、ex-situ測定したXRDプロファイルには大きな変化が見られなかった。また高電流密度10A/gでの測定でも、程度の容量を維持した。従って、本研究で得られたγ-Fe_2O_3/AB複体は、良好なサイクル特性及び高速充放電特性を示すことがわかった。
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