Research Abstract |
1. ツイスト分解を用いた特異ベクトル計算の改良 新しく開発された特異値分解アルゴリズムI-SVDの特異ベクトル計算において,ツイスト分解が利用されている.既存の方法であるQR法は,直交行列を作用させることによって,特異値分解を行う.そしため,直交性はよいが,真の値に対する誤差が大きい場合もある.一方,このツイスト分解は,特異値を計算後,各特異ベクトルを独立に計算するための方法である.そのため,誤差は小さいが,直交性が悪化することがある.この問題を解決するために,ツイスト分解で利用されるパラメータのチューニングを行い,さらに,シフトとスケールを導入した.パラメータチューニングによって,各特異値に適した値を見出すことができた.シフトによって,最小特異値が0に近づくように移動させる.スケールによって,密集した特異値を可能な限り分散させる.このシフトとスケールを組み合わせることによって,従来のI-SVD法よりも精度を向上することに成功した. 2. 新しい特異値分解アルゴリズムの改善 開発中のI-SVD法では,特異ベクトルVの計算にはツイスト分解を適用しているものの,もう1つの特異ベクトルUの計算は一般的な行列計算で行っていた.しかし,実験の結果,特異値の分布によっては,特異ベクトルUの直交性が非常に悪化することがあった.この問題を解決するために,特異ベクトルUを計算する際にもツイスト分解を適用するように改善を行った
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