2008 Fiscal Year Annual Research Report
免疫系の戦略に学んだアドホックな無線センサネットワークの研究
Project/Area Number |
18700068
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
渡邊 裕司 Nagoya City University, 大学院システム自然科学研究科, 准教授 (60314100)
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Keywords | 免疫型システム / センサネットワーク / アドホックネットワーク / 相互診断モデル / 移動型センサ / 無線センサ |
Research Abstract |
本課題では、免疫系の戦略(移動系と静止系の構成割合、細胞間での巧みな相互作用など)に着目し、移動型センサを含むアドホックな無線センサネットワークに対して、「ネットワークシミュレータ」と「実験用センサネットワーク」の両方を用いて、移動型センサを導入するメリットを探ることが目的である。今年度は、「シミュレータ上での大規模ネットワークの検証」と「実験用ネットワーク上での移動型センサの検証」を実施した。 まず、昨年度までは数百のセンサから成るネットワークを対象としてきたが、シミュレータ上ではセンサ数を増やすことが容易であるため、数千・数万の大規模ネットワークに対する検証を行った。その結果、診断モデルの分散性によりセンサ数が増加しても検出率はほとんど悪化しないことが確認された。今回の成果は、実世界の大規模なネットワークの診断に適用する際に有益な情報を提供するといえる。 次に、実験用ネットワークにおいてはいくつかのセンサを移動ロポット(レゴ社のROBOテクノロジーセットを使用)上に搭載することで、移動型センサを実装した。昨年度調べた静止型センサだけの場合の基本性能に対して、移動型センサの割合を変えながら性能を比較した。性能評価としては、スループット、遅延、消費電力を測定した。なお、当初の計画に対して予想以上に移動型センサの実装に時間を要したため研究成果の発表には至っていないが、現在一連の結果を整理して雑誌論文への投稿を準備しているところである。
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