2006 Fiscal Year Annual Research Report
日本の伝統的な光源の3DCGデジタルコンテンツへの適応に関する研究
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18700091
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
松隈 浩之 九州大学, 大学院・芸術工学研究院, 講師 (60372760)
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Keywords | 3DCG / アニメーション |
Research Abstract |
本年度は主にアニメーションの表現、技術、産業面に関する調査を中心に活動を行った。 主な調査対象および調査結果を以下に示す。 ●アヌシー国際アニメーションフェスティバル 世界最大のアニメーション映画祭である本大会では、コンペティションをはじめ、見本市、技術に関するシンポジウム等様々なイベントが開催され、そこには世界中からの作品と人が集結する。コンペティションにおいては映像表現の動向(3DCG、セル、クレイ等)や、国別の取り組み、プロと学生の割合等を俯瞰することができた。また見本市では日本からの参加状況を確認し、産業界および教育機関からの参加者と交流をもつことで日本におけるアニメーションへの取り組み状況を再確認した。 ●広島国際アニメーションフェスティバル アヌシーと同様、国際アニメーションフィルム協会によって認定された映画祭であるが、上記で述べた目的に加え、国、および地域のアート系イベントに対する取り組みかたを比較も行った。本大会では見本市はなく、経産省の支援をうけた実験的なイベントが開催されていた。運営スタッフへのヒアリングによると、運営面での厳しさを長くかかえており見本市の開催も検討するとのこと。 コンペへの参加状況は日本がトップであったが、韓国からの特に学生の参加が多く見られ韓国が国をあげてデジタルコンテンツの分野、制作、教育に力を入れていることが改めて伺えた。 ●東京アニメーションフェスティバル 主にシンポジウムへの参加を行った。アニメーションを制作する企業は、デジタル化によって生じるワークフローの変化や資金調達、国際交流、人材の育成といった悩みを共通にかかえており、同時に手探りで解決策を模索しているが確固とした手段を得ることは難しいという状況であった。 またアメリカを中心に1つの大きな軸となりつつある3DCGを用いたアニメーションを、セルを中心として活動を続けてきた日本のアニメーション業界がどのように受け入れるかが課題とされており、本研究の意義を再確認することができた。
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