2007 Fiscal Year Annual Research Report
人間の情報発信を促進する教示エージェントの対話モデル
Project/Area Number |
18700119
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
尾関 基行 Kyoto University, 学術情報メディアセンター, 助教 (10402744)
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Keywords | 教示エージェント / インタラクション / 作業支援 |
Research Abstract |
本研究では,人間を見守り,働きかけ,情報発信を促すような場をつくりだす情報メディアを実現するために,情報学の見地から,教師と生徒のノンバーバルインタラクションをモデリングすることを目的としている.19年度は,18年度の成果をもとに下記の3種類のインタラクションモデルを提案し,具体的な教示シーンにおける評価実験を通してその有効性を確認した. (1)教師エージェントが生徒の様子や物体の認識に失敗した際,生徒の協力を得ることで問題を解決するインタラクションモデルを提案した.自動認識が非常に困難な状況であっても,人間に少し協力してもらうだけで劇的に改善する場面は多い.このモデルは,エージェントの自然な仕草によって,大きな負担をかけずに人間に協力を促す.エージェントとのインタラクションを応用した(=特別な機器を要さない)アプローチであり,そのまま後述の(2)や(3)に応用することができる. (2)教師エージェントが生徒の意図や気持ちを推定するインタラクションモデルを提案した.このモデルは,教師エージェントと生徒のインタラクションを認識し,事前に学習しておいた人間の教師と生徒のインタラクション(=生徒の意図や気持ちに応じた模範教示)から,現在の状況に最も近いものを再現する.心理の推定という難しい問題を,インタラクションの同定と再現という明確な処理に置き換えた点に特徴がある. (3)料理番組等のアシスタントを模したエージェントが,説明に不慣れな教師を支援するインタラクションモデルを提案した.テレビ番組のアシスタントは,説明者に質問や復唱,相槌する等によって上手に情報を引き出している.その知見を教師の言動とアシスタントの言動のif-thenルールとしてエージェントに実装した.評価実験の結果,このような人工無脳的なアプローチでも,説明者の視線を上げたり,説明の数や種類を増やす効果のあることがわかった.
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