2007 Fiscal Year Annual Research Report
高次元離散分布からの効率的なサンプリング手法に関する研究
Project/Area Number |
18700271
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
青木 敏 Kagoshima University, 理学部, 准教授 (90332618)
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Keywords | 分割表 / マルコフ連鎖モンテカルロ法 / 条件付検定 / 計算機代数統計 / トーリックイデアル / 実験計画法 / 相似検定 / Segre-Veronese |
Research Abstract |
分割表に集約される頻度データに対し、さまざまな仮設検定の有意確率を、マルコフ連鎖モンテカルロ法により不偏推定する、という問題を考える。この問題における重要な点は、十分統計量が与えられた有限の標本空間上に連結なマルコフ連鎖をどのようにして構成するか、という問題であり、あらかじめ連結な推移基底(マルコフ基底)を計算するのが、現在の主流である。本研究は、このマルコフ基底の性質の解明と、効率のよい計算アルゴリズムの開発を目的としている。今年度は、マルコフ基底の不変性と、極小性の観点から、いくつかの結果を得、論文として出版した。特に、マルコフ基底のうち、分割表が本来もつ不変性(これは具体的には、軸ごとの水準の入れ替えや、サイズの日とし軸の入れ替えなどの群の作用に対する不変性として定式化できる)を保持するもののうち、極小なもの(極小不変マルコフ基底)は、その性質が大変重要であると考えられるが、今年度の研究でその構造はかなり解明されたため、従来よりも効率的なサンプリングアルゴリズムの構築に大きく貢献できたと思われる。また、代数学的に重要な例として、問題がSegre-Veronese型と呼ばれるクラスに属す場合には、簡明な構造のマルコフ基底が効率的に得られることに注目し、該当する統計学の具体的問題のデータ解析を行った。さらに、実験計画法の枠組みにも、本手法が適用可能であることを示し、論文にまとめた。
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Research Products
(7 results)