2008 Fiscal Year Annual Research Report
小脳成熟に伴う登上線維支配様式の可塑性減少およびその臨界期の特定
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18700335
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
宮崎 太輔 Hokkaido University, 大学院・医学研究科, 助教 (90374230)
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Keywords | 小脳 / 登上線維 / 平行線維 / グルタミン酸受容体 / 神経標識法 / 遺伝子改変動物 / プルキンエ細胞 |
Research Abstract |
小脳プルキンエ細胞(PC)は数十万本の平行線維(PF)と1本の登上線維(CF)による興奮性入力を受けている。幼若期のPCは複数のCFによる多重支配を受けているが、発達過程において余剰なCFは排除され、生後3週目までには一つのPCがただ1本のCFによって支配される単一支配が確立する。この単一支配化にはPFシナプスの活動が必須であることが明らかになっている。グルタミン酸受容体GluRδ2はPF-PCシナプス後部に特異的に発現し、発達期におけるPF-PCシナプスの安定化とCF-PG単一支配の確立に重要であることが知られている。近年、成体からの分子欠損誘導が可能な誘導型GluRδ2欠損マウスが作成され、GluRδ2が成体においてPF-PCシナプスの維持に関与していることが示された。しかしCF-PC単一支配化の維持にGluRδ2が関与しているかどうかは未だ明らかにされていない。本研究課題では誘導型GluRδ2欠損マウスのCF-PG支配様式を、神経標識法、免疫組織化学法、免疫電顕法を用いて解析を行い、変異マウスについて以下の所見を得た。 (1) 分子欠損誘導後8週からCF多重支配が認められ、GluRδ2欠損領域でCF支配領域の拡大が認められた。 (2) 分子欠損誘導後8週からtransverse branchと呼ばれるCF側枝が側方のPCに対して異所性支配を行い、CF-PC多重支配を引き起こしている様子が観察された。 (3) CF側枝による異所性支配は電子顕微鏡レベルでも観察された。 以上の結果はGluRδ2がCF側枝による側方支配を抑制することで成体期におけるGF-PC単一支配の維持に関わっていることを強く示唆するものであった。
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[Journal Article] Spinocerebellar ataxia type 6 knockin mice develop a progressive neuronal dysfunction with age-dependent accumulation of mutant CaV2.1 channels2008
Author(s)
Watase K, Barrett CF, Miyazaki T, Ishiguro T, Ishikaw a K, Hu Y, Unno T, Sun Y, Kasai S, Watanabe M, Gomez CM, Mizusawa H, Tsien RW, Zoghbi HY.
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Journal Title
Proc Nati Acad Sci USA 105
Pages: 11987-11992
Peer Reviewed
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