2006 Fiscal Year Annual Research Report
成熟期大脳皮質可塑性のメカニズムの解明:ニューロンーグリア相互作用の視点から
Project/Area Number |
18700343
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
大平 耕司 京都大学, 医学研究科, 研究員 (80402832)
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Keywords | 大脳皮質 / 可塑性 / 細胞形態 / レンチウイルス / 蛍光タンパク質 / 特異的プロモーター / ニューロン / アストロサイト |
Research Abstract |
本研究では、げっ歯類の体性感覚系を利用して、個体が新しい環境におかれたときに起こる、ニューロンとアストロサイトの形態変化とその分子メカニズムを解析することを目的としている。ニューロンの樹状突起、スパイン、軸策や、アストロサイトの突起は非常に微細な構造をしているので、構造変化を解析可能にするためには、まず細胞形態を細部に至るまでクリアーに可視化する必要がある。そこで、膜移行性シグナルを付加した蛍光タンパク質を細胞種特異的に発現することのできるレンチウイルスベクターの製作から始めた。 1.アストロサイト特異的GFP発現レンチウイルスベクターの作製 レンチウイルスベクターの作製には、インビトロジェン社の作製キット(BLOCK-iT Lentiviral RNAi Expression System)を用いた。まず、アストロサイト特異的プロモーターであるGFAPを、膜移行性シグナルを付加したGFPの上流に組み込んだエントリーベクターを作製し、レンチウイルスベクターを産生させた。 2.ニューロン特異的GFP発現レンチウイルスベクターの作製 ここでは、ニューロン特異的プロモーターであるシナプシンIを使用し、膜移行性シグナルを付加したGFPの上流に組み込んだエントリーベクターを作製した。 3.ニューロンとアストロサイトへのウイルスベクターの感染とGFPの細胞種特異的発現 1、2で作製したそれぞれのウイルスベクターによるGFP発現の特異性について検討した。ラットの大脳皮質体性感覚野にウイルス液を脳定位的にインジェクションし、2週間後に脳を固定し、抗GFP抗体を用いてABC法による免疫組織染色を行った。その結果、それぞれのウイルスベクターを用いることにより、ニューロン、またはアストロサイト特異的にGFPを発現させることができた。
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Research Products
(2 results)