2007 Fiscal Year Annual Research Report
姿勢調節のメカニズムを末梢感覚神経活動から解明する
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18700490
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
牛山 潤一 Keio University, 体育研究所, 助教 (60407137)
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Keywords | 床反力 / 筋電図 / 筋量 / 生理的振戦 / Ia求心性神経 |
Research Abstract |
平成19年度は,姿勢制御への末梢感覚神経活動の貢献を探る上で,まず重要と思われる「そもそもの現代の日本人はどの程度の平衡機能を有しており,またどの程度の個人差が存在するか」ということを探るべく, 150名程度の大学生を対象に,床反力計上にて開眼・閉眼時の足底中心動揺測定を行い,動揺のさまざまな標を評価する解析プログラムを作成するとともに,これらの指標の主働筋である下腿三頭筋の筋量・筋電図との関性を検討した.その結果,一般的には主に高齢者においてのみ姿勢動揺の制限因子となりえると考えられてきた,量と足圧中心動揺の様々な指標との間に関連性が見出されるという興味深いデータが得られた.また,これらのデータが,主に末梢感覚神経によるフィードバック制御を模したシミュレーションデータと多くの点で共通項が見られことから,これらについてまとめ,研究代表者の所属する機関の紀要論文,ならびに2つの学会にて発表を行ったこの成果については, 2008年度5月に米国はインディアナポリスで開催される「American College of Sports Medicine」で発表予定(すでに査読は通過)であるとともに,国外雑誌への投稿の準備も進めている. こうしたデータをもとに,交付申請書にも記載した長時間振動刺激法が立位姿勢調節・足静的トルク発揮時の生理学的振戦に与える影響に関する実験もスタートを切っている.アキレス腱への長時間振刺激の適用によって,下腿三頭筋のIa求心性神経活動が低下することは,平成18年度の段階である程度わかってはたが,そもそもその低下率に個人差が存在するためか,実際に振動刺激後の測定においても,足圧中心動揺・発揮ルクの動揺の変化には個人差が存在することがわかった.従って,Ia求心性神経活動の低下との間の因果関係を示ためには,より多くの被検者に対して実験を適用する必要があり,平成20年度も継続してこの課題には取り組んでく予定である.
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