2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18700523
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Research Institution | National Maritime Research Institute |
Principal Investigator |
佐藤 陽平 National Maritime Research Institute, CFD研究開発センター, 研究員 (10358400)
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Keywords | スポーツ工学 / 流体解析 / 競泳 / CFD |
Research Abstract |
本研究のビジョンは,「工学的シミュレーションにより,速く泳げる泳ぎ方を開発すること」であり,流体力学を用いて競泳競技を解析することをコンセプトとする研究である。流体力学の解析法としては,計算流体力学(Computational Fluid Dynamics:以下CFDと呼ぶ)を用いて,粘性(渦)を考慮した非定常現象を解析する。最終的には開発した解析法を用いて,速く泳げる泳ぎ方をシミュレートすることを目指す。 平成18年度は,人体形状の取り扱いに関する研究と,CFD解析手法の研究の二つを行なった。人体形状については,まず,手部について着目した。これは,推進力に占める手部が生み出す推進力の割合が高いからである。手部の形状を測定することを目的として,手部の石膏模型を作成し,その形状を三次元スキャナーで読み込み,デジタルデータとして取得した。なお,手の持ち主は,既存の研究で回流水槽の試験での被験者である。 平成19年度は,このデジタルデータを基にCFD解析を行い,回流水槽の試験結果と比較し,CFD解析の精度を検証した。その結果,CFDにより手の周りの非定常の流れを高い精度で計算できることが確認できた。平成20年度は,手だけではなく腕や体も含めた体に加わる流体力をシミュレートし,泳ぎ方を評価できるようにする。シミュレーション手法として,オーバーセット法を開発する。また,結果を取りまとめ,論文発表を行うこととする。
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