2006 Fiscal Year Annual Research Report
屋外スポーツ活動者のカロテノイド適正摂取量に関する研究
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18700558
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Research Institution | Takasaki University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
木村 典代 高崎健康福祉大学, 健康福祉学部, 助教授 (80348143)
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Keywords | β-カロテン / 抗酸化 / 小核試験法 / スポーツ栄養 / 紫外線 / 緑黄色野菜 / カロテノイド / 競技者 |
Research Abstract |
【目的】競技者の運動環境が血中β-カロテン濃度やその抗酸化能に及ぼす影響は明らかとなっていない。そして屋内外のスポーツを行う若年者における具体的な野菜摂取量を示されていない。そこで、1年目は、紫外線による酸化損傷度を測定する手法の検討と、血中β-カロテン濃度と酸化損傷との関係を検討した。 【方法】試料にはヒトリンパ芽球様細胞WIL2-NSを用いた。紫外線は短波長のUVB(302nm)を用い、紫外線強度は300μW/cm^2とした。紫外線を直接WIL2-NS細胞に照射し、照射量依存的(コントロール0秒、3秒、5秒、10秒)に酸化傷害が起こるかをみた。照射後、細胞をHBSSにて洗浄し、小核試験法を行い、顕微鏡下にて2核細胞1000個中の有小核細胞をカウントし、小核出現率を算出した。また、女子高校生31名のリンパ球を用いてUVB照射による小核出現率を調べ、血中およびリンパ球中のβ-カロテン濃度との関係をみた。β-カロテン濃度はHPLC法にて測定した。 【結果及び考察】小核出現率(Mned BN cells/1000BN cells(%)は、UVB照射時間依存的に0秒で16.1±1.4、3秒では28.0±5.8、5秒では41.1±3.4と増加した。CV%はそれぞれ8.4%、20.3%、8.5%であり、照射5秒で安定した数値が得られることがわかった。しかし、10秒以上の照射時間では著しく細胞が破壊され、測定できない試料もあったため照射時間は5秒とした。血中β-カロテン濃度とリンパ球中β-カロテン濃度との問には正の相関関係が見られ(p<0.568、p<0.05)、血中β-カロテン濃度の上昇に伴い、UVB照射後の小核出現率が減少した(r=-0.422、p<0.05)。このことから、β-カロテンが紫外線によって惹起されるDNA損傷の予防に関与している可能性が示唆された。
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