Research Abstract |
今年度は,1)地域在住高齢者の筋力低下と身体活動や食生活,日常生活の自立との関連性を明らかにすること,2)筋肉減少症を予防することを目的とした3ヶ月間の栄養と運動の介入プログラムを実施し,筋肉量や筋力の増加に及ぼす影響について検討することを目的とした。地域の住民基本台帳から研究所周辺19町在住70-84歳女性5,937名に健診のお知らせをして平成18年11月5日〜12日に実施された「お達者健診」には956名が参加した。虚弱高齢者(握力および通常歩行速度の四分位の下位20パーセンタイル以下)を対象に筋肉減少症を予防することを目的とした3ヶ月間の栄養と運動の介入プログラム(「お達者健康づくり教室」)の説明会に参加し,本研究の概要を理解して最終的に同意書を提出した89名を本研究の対象者とした。年齢,握力,通常歩行速度,血清アルブミン値を考慮した無作為抽出の結果,「運動+栄養群(30名)」,「運動群(30名)」,「対照群(29名)」の3群に分けて3ヶ月間の栄養と運動の介入プログラムを実施した。栄養プログラム(週1回,2時間所要)は,動物性のたんぱく質とビタミンDを豊富に含む食品を中心とした料理教室を通じた栄養指導を実施した(総12週)。献立はたんぱく質のみならずビタミンDを豊富に含む食品を中心とした料理教室による栄養指導を実施した。食材は,牛・豚・鶏・ラム肉,卵,ぶり,さば,ツナ缶,鮭,スズキ,うなぎ,干ししいたけ,きくらげなどである。運動プログラム(週1回,50分所要)は,準備運動(足踏み,ストレッチングなど),上下トレ(椅子,セラバンド,鉄アレイ、ボールなど),整理運動,呼吸と構成した。3ヶ月間の栄養と運動の介入プログラムの実施後,平成19年3月22・23日に介入後の調査をし,79名が参加した。
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