2007 Fiscal Year Annual Research Report
日本人のモノグルタミン酸型とポリグルタミン酸型葉酸の摂取比率検討
Project/Area Number |
18700611
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Research Institution | Kagawa Nutrition University |
Principal Investigator |
福島 真実 Kagawa Nutrition University, 栄養学部, 助教 (30286885)
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Keywords | 葉酸 / モノグルタミン酸型葉酸 / ポリグルタミン酸型葉酸 / bioavailability / 葉酸摂取 |
Research Abstract |
食品中の葉酸は、グルタミン酸が1つ結合したモノグルタミン酸型葉酸と複数結合したポリグルタミン酸型葉酸として存在する。摂取したポリグルタミン酸型葉酸は、小腸上皮粘膜でコンジュガーゼにより加水分解されてモノグルタミン酸型葉酸となり吸収される。したがって葉酸のbioavailabilityは50%程度とされているが、実際に摂取している食品によって大きく異なる。葉酸摂取不足は血中のホモシステイン値を上昇させ、動脈硬化や脳血管疾患、認知症などの発症リスクを高めることが示されている。また、胎児の神経管閉鎖障害との関連も指摘されており、十分な葉酸摂取はこれらの疾患の予防につながる。葉酸代謝関連酵素MTHFRの遺伝子多型TT型や高齢者、萎縮性胃炎等では葉酸必要量が通常より多くなるため、効率のよい葉酸摂取指導のためには、食品中のモノグルタミン酸型とポリグルタミン酸型葉酸の比率を明らかにすることは重要である。そこで食品中の葉酸の分別定量を試みた。 葉酸供給源として上位の食品について微生物法で測定した。また、我が国の主食である飯を試料とし、前処理の検討をした。すなわち、食品成分表の記載値は、前処理にコンジュガーゼとプロテアーゼの2種類の酵素が使用されているが、主流となってきているtrienzyme法のアミラーゼが使用されていない。そこで、アミラーゼ処理が米に葉酸値に与える影響を検討した。その結果、今回検討した条件の範囲では、アミラーゼ活性により飯の葉酸値が大きく変わることはなかった。飯のみでなく、でんぷん含量の高いその他の食品でも検討が必要と思われる。 HPLCによる葉酸定量は、標準品分離の分析条件を検討した。葉酸には多くの誘導体が存在するため、カラムや移動相の検討を引き続きおこなう必要がある。
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Research Products
(2 results)