2006 Fiscal Year Annual Research Report
伝統主食栄養源、全粒小麦とリグナンの生活習慣病予防効果に関する基礎的・臨床的研究
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18700624
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Research Institution | Research Institute for Production Development |
Principal Investigator |
相良 未木 (財)生産開発科学研究所, 予防栄養医学研究室, 研究員 (00333287)
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Keywords | 小麦アリューロン / SHR / NDmcr-cp(cp / cp) / 大豆 / 血圧 / 血糖値 / 食物繊維 / リグナン |
Research Abstract |
大豆には、肥満を予防する働きや、血圧やコレステロールの上昇を抑え心筋梗塞の原因となる動脈硬化を予防する働き、ホルモン過剰が引き金となる前立腺がん、乳がんを予防する働き、骨粗鬆症を予防する働きなどがあると考えられ、循環器疾患はじめ生活習慣病の予防に非常に効果のある食物である。本研究の目的は、大豆イソフラボンと同様植物性エストロゲンのリグナンを含む全粒小麦で大豆同様の効果を得られるかどうかを、動物実験およびヒト介入試験により検証することであるが、本年度は動物実験を行った。 目的:生活習慣病のモデル動物SHR/NDmcr-cp(cp/cp)に小麦アリューロンまたは大豆を与え、血圧、血糖値、インスリン、24時間尿中ナトリウム・カリウム排泄量に対する効果を比較した。 方法:7週齢のSHR/NDmcr-cp(cp/cp)20匹を2グループに分け、アリューロン群には小麦アリューロン10%を含む餌を、大豆群には大豆10%を含む餌を20週齢まで与えた。 結果:アリューロン群は大豆群に比べ、食物繊維摂取量は有意に多く、脂肪摂取量は有意に少なかった。血圧、24時間尿中ナトリウム排泄量、ナトリウム/カリウム比は試験期間中を通してアリューロン群の方が大豆群より低かった。血糖値およびインスリン抵抗性の指標であるHOMA-Rはアリューロン群の方が大豆群より有意に低かった。 結論:食物繊維や植物性エストロゲンのリグナンを豊富に含む小麦アリューロンの摂取は、大豆摂取と比較し、高血圧や高脂血症のリスクの軽減により大きな効果があり、肥満、高血圧、高脂血症、高血糖症のモデル動物SHR/NDmcr-cp(cp/cp)において、循環器疾患のリスクを軽減することが証明された。
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