Research Abstract |
写真や地図,テキストを用いて,実世界の場所に関して表現するという行為に関わる,時空間的・意味的なスキーマの体系化に向け,以下を行った. 1.分析対象の定義 地図上に配置した写真を順序付けた"空間スライドショー"を分析対象とした.各写真は,地図上にどこからどこを撮影したのかを示す矢印アイコンとして配置され,タグやコメントを与えられる.写真単位で,いつ,どこで,どの程度の視野で,どれくらい離れた,何に着目したのかが明示され,写真の配列として,行動の流れや,話の展開が明示されており,物語性に優れ,コンテクストの構成要素を機械可読な形式で豊富に取得できる. 2.ソフトウェアの実装 エンタテインメント性と手軽さを備え,ユーザの創造性を喚起しコンテンツの生産を促すことを目的とし,地図とタグでデジカメ写真を整理し,日記や観光案内,フィールドワーク記録等を,空間スライドショーとして手軽に編集「閲覧するアルバムソフトを実装し,ウェブに公開した. 3.コンテンツの収集とそのための活動(ソフトウェアの利用実績) 以下の活動により,空間スライドショー約20,撮影位置,撮影方向,タグ,コメント等を手入力で与えられた写真約1000を収集した. (1)大学院の演習を含むワークショップ デジカメ写真と地図により,参加者がそれぞれの主題を表現したコンテンツである. (2)立命館大学地理学教室・アートリサーチセンターによるデジタルアーカイブ 浮世絵や過去の景観の復元画像をマッピングした,学芸員らによるコンテンツである.国立民族学博物館会館30周年特別展にて一般展示された. (3)都市防犯研究センターによるモデル調査 対象地区の全住宅のさまざまな角度や要素の写真と,空き巣被害とをマッピングし,関連を視覚化することを目的とした,警察官によるコンテンツである.都市防犯研究センター"JUSRIリポート"で発表された.
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