Research Abstract |
1.ソフトウェアの改良 地図とタグでデジカメ写真を整理し,日記や観光案内,フィールドワーク記録等を,ストーリーとして手軽に編集・閲覧する公開済みのアルバムソフトウェアを,作り手による表現の促進という観点で改良し,HCIの国内最大規模の学会,インタラクション2008で口頭発表を行った. 2.コンテンツの収集活動 上記のソフトウェアで作成される"空間スライドショー"は,場所に関して表現したストーリー型のコンテンツであり,位置,時刻,対象,順序といったストーリーの構成要素を機械可読な形式で豊富に持つ,本研究の分析対象である.同ソフトウェアによるストーリー作成ワークショップを行い,空間スライドショー約20,撮影位置,方向,タグ,コメント等を手入力で与えられた写真約500を収集した.また,ウェブ上にギャラリーを設置し,これまでに収集した100程度の空間スライドショーを公開した. 3.コンテンツのデザインパターン体系化 ストーリーに構造を与える手段は要素の選択と配置であり,また,ストーリーは時間・空間・意味的な構造を持つという仮定のもと,ユーザによる100程度の空間スライジョーを分析し,実世界の場所に関する表現が持つ時空間的なスキーマの体系化を試みた.近年,写真やBlog,LBSのログといった,個人の体験記録を対象としたコンテンツ処埋が課題とされているが,体験を要素の時系列として扱う枠組みが一般的である.これに対し,本研究では,時系列ではないシークエンスが平均1割程度を占めることを明らかにし、特に、経路沿いや、周囲を見渡す順といった空間順のシークエンスが頻出することに着目し,そのデザインパターンを,カメラ位置から対象位置への矢印図形の配置パターンとして体系化した.
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