Research Abstract |
写真や地図, テキストを用い実世界の場所に関して表現する行為に関わる, 時空間的・意味的なスキーマの体系化に向け, 以下を行った. 1. 收集したコンテンツの分析 提案ソフトウェアでユーザが作成した, 場所に関して表現するストーリー型のコンテンツ"空間スライドショー"約120と, これを構成する, 撮影位置, 方向, タグ, コメント等を手入力で与えられた写真約3000を対象とし, ストーリー構成要素の位置, 時刻, 対象, 順序等を, 時空間的な連続性の観点で分析した.新しい知見として, 作り手は, 要素間の時間的な連続性とその操作に加え, 空間的な連続性とその操作を重視すること等を明らかにした. 2. ソフトウェアの改良 コンテンツ分析とアンケート調査による知見に基づき, 提案ソフトウェアに以下を実装した. (1)ストーリーの再生に伴い, 空間内を移動していくような視覚効果を持つアニメーションを自動生成する機能 : ユーザによるコンテンツ作成の動機付けとして,特に有効だった. (2)ストーリーの部品となり得る複数のシーンを, 時空間的なライブラリとして自動生成する機能 : 地図をベースとしたストーリー型コンテンツの編集という新しい枠組みにより実現可能となった. 3. 研究成果発表・公開 本研究課題の最終年度にあたり, 以下の成果発表・公開を行った. ・2(1)に関連し, 写真の空間関係を利用した, 複数の写真間の連続性を表現するアニメーション生成手法を論文誌に発表した. ・2(2)に関連し, ストーリー構成要素の, 時空間的クラスタリング, ソーティング手法を論文にまとめた.(論文誌に投稿し査読中) ・得られた知見を実装したソフトウェアをウェブ上で公開している.顕著な利用事例である「第III期京町家まちづくり調査に向けた事前調査」(京都市, 立命館大学地理学教室, 京都市景観・まちづくりセンター)は, 調査グループにより学会発表された.
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