2006 Fiscal Year Annual Research Report
環境全核酸解析に基づく生分解性高分子材料の環境分解予測
Project/Area Number |
18710075
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
粕谷 健一 群馬大学, 工学部, 助教授 (60301751)
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Keywords | 応用微生物 / 遺伝子 / 環境材料 / 環境質定量化・予測 / 酵素反応 |
Research Abstract |
本年度は、環境全核酸解析法を用いて、環境試料の生分解性高分子分解活性を予測するために、ターゲット高分子として、ポリエチレンスクシネート(PESu)およびPHBを選出し、プローブとなる、遺伝子の探索を行った。PESu分解微生物群は、細菌群(Bacillus, Paenibacillus, Comamonas)と真菌群(Asperugillus, Penicillium, Paecilomyces)であることが判明した。また、これらの分解菌種のうちから、Asperugillus elavatusよりPESu分解酵素の精製に成功した。本酵素の生化学的性質および基質特異性を詳しく調べた結果、PHB分解酵素の1種であることが判明した。つまり、このことは、PESu分解微生物とPHB分解微生物の集合のある部分は、重なっていることを示唆するものである。これらの結果を考慮すると、PESu環境分解予測は、PHB分解予測とある一定の相関がある可能性も示唆された。また、PESuを分解できる硝酸還元細菌群をDGGE解析したところ、おもに、βプロテオバクテリア群から構成されていることが判明した。一方で、カビ由来、PHB分解酵素遺伝子をクローニングしたところ、本酵素遺伝子は、現在までに報告されているどの酵素遺伝子とも低い相同性しか有さないことがわかった。これらのことより、本遺伝子は、モニタリングの際の新たなプローブ遺伝子に使えることが示唆された。
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