2007 Fiscal Year Annual Research Report
環境全核酸解析に基づく生分解性高分子材料の環境分解予測
Project/Area Number |
18710075
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
粕谷 健一 Gunma University, 大学院・工学研究科, 准教授 (60301751)
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Keywords | 応用微生物 / 遺伝子 / 環境材料 / 環境定量化・予測 / 酵素反応 |
Research Abstract |
脂肪族生分解性ポリエステルであるポリエチレンスクシナート(PESu)は、P(3HB)分解酵素で分解を受けることが知られているにもかかわらず、環境分解性は、P(3HB)と比較して低い。このことは、酵素分子と微生物との基質認識の間に相違があることを示唆している。このような背景から、本年度は、PESu分解微生物の環境分布解析に焦点を当てた。様々な環境中から、PESu分解微生物の単離を試みた。その結果、土壌環境中では、真菌類と細菌類が主たる分解者であることが判明した。一方、水中では、主分解者は、細菌類であった。さらに、単離PESu分解株を、遺伝学的観点から分類した。PESu分解真菌は、Ascomycotaに属しており、ほぼP(3HB)分解真菌群と一致していた。さらに、詳細に分解菌を調べたところ、PESu分解菌群の多くは、P(3HB)分解酵素を構成的に生産していることがわかった。これらのことか、PESu分解真菌群は、P(3HB)分解真菌群のサブグループであると推定された。一方、PESu分解真菌Asperugillus clavatusから、PESu分解酵素を精製したところ、P(3HB)分解酵素とほぼ同一であることがわかった。このことは、PESu分解真菌群とP(3HB)分解真菌群は、P(3HB)分解酵素発現機構の差から起因していることを支持している。一方、PESu分解細菌は、P(3HB)分解活性を有しておらず、P(3HB)分解細菌群とは全く別のグループであることが判明した。
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