2006 Fiscal Year Annual Research Report
ナノ構造認識ペプチドを用いるタンパク質非吸着表面の創製
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18710093
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
芹澤 武 The University of Tokyo, 先端科学技術研究センター, 准教授 (30284904)
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Keywords | ポリメタクリル酸メチル / ペプチド / ファージディスプレイ / ステレオコンプレックス / 特異結合 / 表面プラズモン共鳴 |
Research Abstract |
前年度に明らかにしたポリメタクリル酸メチル(PMMA)ステレオコンプレックスに結合することが示唆される数種類の7残基ペプチドをFmoc法により固相合成した。得られた粗ペプチドは液体クロマトグラフィーにより精製した。ステレオコンプレックス膜への結合挙動を表面プラズモン共鳴(SPR)装置により解析し、速度定数、結合定数を算出した。その際、ステレオコンプレックス膜は、SPRのセンサーチップ表面に交互吸着法により直接、作製した。所定濃度に調整したペプチド水溶液を膜表面にフローすると、PMMAステレオコンプレックスにペプチドが結合する様子がリアルタイム解析できた。ペプチド濃度の増加とともに結合量が増加することが分かった。また、ペプチド水溶液から緩衝液に切り替えてフローすると、ペプチドが解離する様子がリアルタイム解析できた。そこで、ラングミュア型の1:1結合モデルを仮定し、得られたセンサーグラムをフィッティングすることにより結合パラメータを得た。いずれのペプチドの結合定数も10^3M^<-1>のオーダーであることが分かり、目標とする10^5M^<-1>オーダーには到達しなかった。PMMAをステレオコンプレックス化することにより、より高い結合定数を有する7残基ペプチドを得ることを目標としてきたが、予想に反する結果となった。よって、次年度は既に得ているイソタクチックPMMA結合性ペプチドを用いてタンパク質の非吸着表面を創製について検討することにした。
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