2007 Fiscal Year Annual Research Report
グラフ・ネットワーク上のゲーム理論に対するアルゴリズム理論的厳密アプローチ
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18710130
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
岡本 吉央 Tokyo Institute of Technology, 大学院・情報理工学研究科, 特任准教授 (00402660)
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Keywords | 組合せ最適化 / ゲーム理論 / アルゴリズム / グラフ / ネットワーク / オペレーションズ・リサーチ / 公平配分問題 / 多主体意思決定 |
Research Abstract |
組合せ最適化とゲーム理論の境界こ跨る問題について次のような基礎的研究を行なった. (1)コンフリクトのある状況下での費用公平分担問題こ関する研究.コンフリクトのある状況をグラフとゲーム理論を用いてモデル化し,費用を公平に分担する問題の計算複雑さを調査した.その結果をまとめた論文は論文誌Discrete Optimizationに掲載された. (2)最小費用全域木ゲームの劣モジュラ性に関する研究.最小費用全域木ゲームと呼ばれる協力ゲームが劣モジュラであるための条件を考察し,必要条件,および十分条件を導いた.さらに,辺コストが2種類に限定された場合に対しては必定十分条件を導き,それを基にして辺コストが2種類に限定された最小費用全域木ゲームの劣モジュラ性を判定する多項式時間アルゴリズムを開発した. (3)最小費用全域木ゲームのシャプレイ値計算アルゴリズムに関する研究.シャプレイ値という重要な公平配分概念に対してアルゴリズム理論の見地から接近した.昨年度の研究で,この問題の本質的な難しさがグラフにおけるある種の数え上げ問題に帰着されることを発見したが,本年度はそれがタット多項式と呼ばれる概念と深く関係があることを発見した. (4)多目的最適化問題に対する列挙解法に関する研究.離散的な構造を持つ多目的最適化問題の端点パレート最適解をすべて出力する統一的な枠組みを提案し,それを基にして効率的なアルゴリズムを開発した. その他,本年度は幾何学的最適化,離散幾何学,グラフ・アルゴリズムに関する研究も行なった.
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Research Products
(10 results)