2006 Fiscal Year Annual Research Report
顧客の意思決定を考慮に入れた競合的在庫問題とその解析
Project/Area Number |
18710135
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
北條 仁志 大阪府立大学, 理学系研究科, 講師 (70305663)
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Keywords | 競合的在庫問題 / 顧客の意思決定 / Stackelberg戦略 / 非0和ゲーム / モデル化 / 均衡解 |
Research Abstract |
本研究は、顧客(消費者)の意思決定を考慮に入れた供給者側における競合的在庫問題を数理的にモデル化し、各供給者の利益最大化の基準の下で最適な振る舞いがどのような戦略になるのかを追求することを目的としている。今年度の研究では、平成16年度および平成17年度において文部科学省科学研究費補助金を受けた研究『合併、提携や市場参入を考慮に入れた競合的在庫問題のモデル化とその解析』の研究成果をもとに、供給者側の意思と消費者側の意思を競合的在庫問題としてどのように数理的モデルへ組み込むべきかについてモデル構築に関する検討を行った。これまでの研究においては消費者側の行動がすでに与えられた状態において競合的在庫問題として数理的にモデル化し、最適発注量に関する平衡点を導いてきたが、本研究では、供給者側および消費者側の両方において意思決定を伴うモデルとして定式化している。そこで、消費者側には、製品の購入費用、購入先までの移動に伴う移動費用、様々な供給先へ移動しても購入できなかった場合のダメージに関する費用の和を最小にするという基準を採用した。一方、供給者側は発注、在庫保持、不足、販売に伴う費用において利益最大化について追求した。今年度は主に供給者側が2つ、消費者側が2つで、需要量が既知である場合についての競合的在庫問題に対し、モデル化を行い、供給者側および消費者側の平衡戦略を導いた。モデル上の仮定のシンプルさが非常に単純な平衡戦略を与えており、予想できうる結果を確証づけられた。
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