2006 Fiscal Year Annual Research Report
植物の鉄輸送メカニズムの機構解明を目指したムギネ酸類縁体の設計と合成
Project/Area Number |
18710191
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Research Institution | Tokushima Bunri University |
Principal Investigator |
難波 康祐 徳島文理大学, 薬学部, 助手 (50414123)
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Keywords | 合成化学 / ムギネ酸 / 実用的合成 / 結晶構造解析 / 分子設計 |
Research Abstract |
イネ科植物は根からムギネ酸を分泌することによって、アルカリ土壌で水不溶態となっている3価の鉄イオンをムギネ酸・鉄錯体として植物内に取り込むことが知られている。本研究では、この鉄欠乏耐性のメカニズムの分子レベルでの解明を目指し、1)ムギネ酸誘導体の大量合成法の確立、2)推定構造してか分かっていないムギネ酸類・鉄錯体のX線結晶構造解析、3)トランスポーターと結合するムギネ酸類鉄錯体の設計と合成、の順に研究を行う予定であった。 トランスポータータンパクとムギネ酸・鉄錯体の結合様式を明らかとするためには、標識体を始めとする種々のムギネ酸類縁体の合成が必要不可欠であることから、本研究においてムギネ酸類の効率的な合成法の確立は急務の課題であった。さらにムギネ酸類のその優れた金属キレート力を利用することによって、農業的利用や、医薬品への応用も示唆されていることから、工業的にも利用可能なルートを構築する必要があった。そこで報告者は、ムギネ酸と同様の金属キレート力を有する2'-デオキシムギネ酸の合成法の確立を目指し、市販のBoc-L-アリルグリシンを出発原料としてOne-Po-で2'-デオキシムギネ酸の保護体を合成する簡便な合成方法を確立した。本合成法では、市販の出発原料から目的の2'-デオキシムギネに至るまでの全工程において、抽出操作及びクロマトグラフィー操作は一度しか行わない簡便な合成法である。(特願:2006-307397) 効率的合成法が確立した事から、ムギネ酸類への標識体の導入を試みることにした。しかしながら、ムギネ酸への標識体の導入には未だ成功例がないことから、先の合成法を基にして種々のムギネ酸類を合成し、その鉄取り込み活性を調べた。その結果、2'位水酸基の立体配置が活性に全く影響を及ぼさないことを新たに見出した。この知見を基に、今後2'位水酸基に標識体の導入を試みる。また鉄錯体のX-線結晶構造解析を検討中である。
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Research Products
(3 results)
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[Journal Article] On the Stereoselectivity of Asymmetric Strecker Synthesis in a Cyclohexane System : Synthesis of Optically Active Cis- and Trans-1-amino-2-hydroxycyclohexane-1-carboxylic Acids.2006
Author(s)
Shinada, T., Kawakami, T., Sakai, H., Matsuda, H., Umezawa, T., Kawasaki, M., Namba, K., Ohfune, Y
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Journal Title
Bull. Chem. Soc. Jpn 79
Pages: 768-774
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