2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18710200
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Research Institution | Nippon Veterinary and Life Science University |
Principal Investigator |
山本 俊昭 Nippon Veterinary and Life Science University, 獣医学部, 講師 (30409255)
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Keywords | ニジマス / サクラマス / 外来種 / 河川生態系復元 |
Research Abstract |
これまで外来種による生態系への影響を評価する研究は、在来種の生息空間が狭まり個体数の減少あるいは絶滅に繋かっていることが多数報告されている。本研究の対象種であるニジマスは、国際自然保護連合IUCNによって世界の侵略的外来種ワースト100に指定されるほど、在来種および在来生態系に対する影響が懸念されており、早急な対策が求められている。そこで本研究では、北海道中西部に位置する厚田川にてニジマスによる生態系への影響評価を行うため、初年度でニジマスの定着している支流と定着していない支流の物理的環境を比較し、どのような河川環境の特性があった場合にニジマスが侵入が起こるのかを明らかにした。また、次年度では在来生物群集への影響を明らかにするため、調査地点を12箇所設け、水生昆虫の種組成およびバイオマス、在来種であるサクラマスの密度、体サイズおよび齢構成などを調べ、外来種による直接的、間接的な影響評価を行った。今年度は、これら採取されたサンプルおよびテータを解析するとともに、調査地点において外来種であるニジマスの駆除を行った。これは、河川生態糸の復元に向けた試みであり、科学的な知見に基づいた再生計画を立案するために行った。今後、本調査地において在来生物群集の回復過程をモニタリングしていく予定である。そして、これら資料をもとに、外来サケ科魚類が在来生物群集に侵入した場合、あるいは除去した場合に起こりうる群集の変化を予測できるモデルを作成する。そして、河川生態系への量的・質的な影響評価と総合し、個体群や生態系の保全を行うための計画策定を行う。
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Research Products
(1 results)