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2008 Fiscal Year Annual Research Report

源俊頼の和歌活動とその鎌倉時代における享受の研究

Research Project

Project/Area Number 18720042
Research InstitutionChuo University

Principal Investigator

吉野 朋美  Chuo University, 文学部, 専任講師 (60401163)

Keywords後鳥羽院 / 俊成 / 定家 / 後鳥羽院御口伝 / 散木奇歌集 / 傀儡子舞
Research Abstract

本年度の研究実績としては、まず後鳥羽院の源俊頼享受についての考察をまとめることができたことを挙げたい。本年5月に学会でその実態の見通しを発表し、その後成稿した(査読の結果、学術誌への掲載がすでに決定しているが、掲載号・月は未定)。後鳥羽院に影響を与えた歌人と言えば同時代歌人がまず思い浮かぶが、その中で唯一、繰り返し名の挙げられる前代の院政期歌人が源俊頼である。本研究では、なぜ後鳥羽院が源俊頼の名を挙げるのか、『後鳥羽院御口伝』の記述、俊頼の秀歌二首と後鳥羽院の詠歌、院晩年の秀歌撰での撰歌、「俊頼影供」の催しといった後鳥羽院の和歌活動の総体から考える取り組みをおこなった。その結果、後鳥羽院の詠歌に大きな影響を与えた同時代の代表歌人である俊成・定家父子の俊頼に対する秀歌観や言説が、後鳥羽院の俊頼重視の姿勢につながったものであることを考察によって明らかにし得た。
一昨年度から進めている『散木奇歌集』全訳注の作業は、雑上部にとりかかった。今年度の終盤に『私家集大成』のCD-ROMが刊行され、それも利用することとしたため、予算の執行予定が多少変動したことをお断りしたい。なお、注釈を付していく過程で得られた知見をもとに、俊頼の和歌表現の特徴、その下地、特異な表現や語を詠む和歌を通して目指していたことについて考えを深め、発表する機会を得たので、今後論文化することを考えている。
俊頼の和歌表現の基盤の一つに、傀儡や遊女との交わりがある。そこで、秋に大分県中津市へ傀儡子舞の調査に行った。古態をとどめていると言われている中津市の古要神社の傀儡子舞は、三年に一度しか奉納されないため、なかなか見ることができない。実際に傀儡子の踊る姿、神相撲の様子などを目の当たりにできたことは、往時と違う面があるとしても今後の研究の際の参考になる大きな成果であった。

  • Research Products

    (3 results)

All 2008 Other

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Presentation (2 results)

  • [Journal Article] 後鳥羽院における源俊頼-『後鳥羽院御口伝』から「後頼影供」へ-(2008年度内に投稿、査読後掲載が決定しているが、掲載号は未定)

    • Author(s)
      吉野,朋美
    • Journal Title

      国語と国文学

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] 源俊頼の企み-和歌表現の可能性をめぐって-2008

    • Author(s)
      吉野朋美
    • Organizer
      中央大学国文学会
    • Place of Presentation
      中央大学
    • Year and Date
      2008-11-27
  • [Presentation] 後鳥羽院における源俊頼2008

    • Author(s)
      吉野朋美
    • Organizer
      和歌文学会五月例会
    • Place of Presentation
      駒澤大学
    • Year and Date
      2008-05-17

URL: 

Published: 2010-06-11   Modified: 2016-04-21  

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