2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18730017
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
米田 雅宏 Kanazawa University, 法学部, 准教授 (00377376)
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Keywords | 公法学 / 基礎法学 |
Research Abstract |
本年度の研究内容は次の通りである。 (1)業績公表 昨年度から取り組んでいた「危険」概念の法実証化に関する成果をまとめるため、「危険概念の解釈方法-損害発生の蓋然性と帰納的推論(一)〜(四・完)」と題する論稿を執筆し、『自治研究』(83巻8号10号11号84巻1号)に掲載した。本稿は、損害発生の「蓋然性」概念を、科学哲学者カルナップのいう「帰納的確率」と理解することによって、事実(条件)から損害(結論)を導く帰納的推論の仕組みを明らかにし、もって危険判断の論証手続を可視化しようとするものである。(2)「危険配慮概念」の法実証化 危険概念の法実証化の成果を踏まえ、現代的な危険防御法の性格を特徴的に示すとされている「危険配慮概念」の法実証化を試みた。具体的には、連邦イミシオン防止法に規定されている「配慮」概念の法的意味を、「有害な環境影響」概念との体系的位置づけに注意しながら明らかにすることによって、この概念が危険防御法体系の中で果たしている役割について検討した。その成果は、近く、公表予定である。また、本研究で明らかになった新たな課題(環境法における要件事実論)は、次年度の研究対象となっている。(3)私人による警察活動の法的可能性の検討 警察法分野における公私協働の一例として注目されている「警察と民間の安全パートナシップ」の意義・背景・法制度について、ドイツ法を中心に調査・検討した。次年度連載が予定されている「世界の公私協働論(仮)」(法律時報)に寄稿するための準備として位置づけられるものである。
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Research Products
(5 results)