2008 Fiscal Year Annual Research Report
少年司法における「未決」段階の身体拘束に関する総合的研究
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18730049
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
武内 謙治 Kyushu University, 大学院・法学研究院, 准教授 (10325540)
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Keywords | 少年司法 / 未決勾留 / 無罪推定原則 / 勾留 / 逮捕 / 観護措置 / 観護処遇 / 観護処遇 |
Research Abstract |
本研究の目的は、観護措置を中心として少年司法における「未決」段階の身体拘束をめぐる法的・犯罪学的・刑事政策的問題を総合的かつ体系的に解明し、解决策を提示することにある。 その際、 本研究は、(ア)判例分析、(イ)統計分析、アンケート不調査、ヒアリングによる経験的調査、(ウ)とくにドイツを中心とした比較法研究、という研究手法を用いる。 本年度の計画は、(1)判例・統計分析の継続、(2)ドイツと日本におけるアンケート調査及びヒアリング調査の実施、(3)研究成果の公表、にあった。 このうち本年度実施できたのは、(1)判例・統計分析、(2)日本におけるヒアリング調査、(3)これまでの研究成果の部分的な公表である。これらに加えて、昨年度ドイツで実施したヒアリング調査の分析に時間を割いたため、今年度改めてドイツにおいて調査を実施するにまでは至らなかった。 本年度公表した「少年行刑法は不要か」及び「ドイツにおける行刑改革」では、本研究の比較法領域での分析過程から得られた、未決の問題を含むドイツ(少年)行刑法をめぐる問題状況について、公表したものである。「国選付添人制度拡充への理論的課題」は、本研究の統計分析過程から得られた、未決段階における身体拘束の犯罪学的意味を土台として、法的な議論を展開したものであり、基礎理論と応用的な議論を結節させたものである。本年度行った学会報告は、いずれも少年司法制度改革の意味を探るものであり、直接には手が付けられていないはずの未決段階の身体拘束にも法制度改革の影響が及んでいることを明らかにしている。これも、本研究で得られた成果を基礎としたものである。 殊に比較法の部分に関しては、来年度、いくつかの論文で研究成果をまとめ、公表する予定である。
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Research Products
(7 results)