2008 Fiscal Year Annual Research Report
レジーム間波及効果の研究-安全保障分野のグローバルガヴァナンスへの含意
Project/Area Number |
18730113
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
足立 研幾 Ritsumeikan University, 国際関係学部, 准教授 (70361300)
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Keywords | 国際レジーム / グローバル・ガヴァナンス / 市民社会 / レジーム間相互作用 / 国際制度 / NGO |
Research Abstract |
平成20年度は、対人地雷禁止レジームの形成方式を直接援用する形で進められてきたクラスター弾禁止条約形成の動きがクライマックスを迎えたため、クラスター弾禁止条約形成過程に焦点を絞りつつ、調査を続けた。その成果は、すでに『国際安全保障』誌上に「オスロ・プロセス-クラスター弾に関する条約成立の含意」と題した学術論文として発表済みである。 また、クラスター弾禁止問題をめぐる具体的な動きの動向と並行して、研究の理論的分析枠組みを洗練すべく、国際関係理論の書籍の収集・分析を進めてきた。理論的枠組みについては、本研究課題に取り組む中で二つの柱に沿って整理をした。一つ目の柱は、国際政治におけるNGOの役割の変化についてである。この点については、NGOの重要性が向上したことを指摘するにとどまるものが多い中、それが国際政治にどのようなインパクトを与えているのか、また単にNGOの重要性向上と片づけられない興味深い現象が現れつつあることを、通常兵器分野におけるNGO活動を中心に示した。こうした成果は、「国際制度形成過程における政府-NGO関係-共鳴・協働・競合-」"Changing Roles of NGOs in the Age of Globalization : A Case Study on Conventional Weapons Governance"などといった形で学術論文として発表している。 もう一つの柱が、近年急速に進みつつある国際レジーム間の関係に注目する理論的研究という視角である。この分野の先行研究を整理したうえで、そうした研究に抜け落ちているレジーム間相互作用の促進アクターについての研究の必要性を提起した。そうした問題提起と若干の考察については、2008年10月に関西学院大学で開催された日本政治学会で報告した。
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Research Products
(6 results)