2008 Fiscal Year Annual Research Report
生活の質を重視するグループがもたらす経済的影響の分析
Project/Area Number |
18730204
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
坂田 裕輔 Kinki University, 経済学部, 教授 (50315389)
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Keywords | 持続可能性 / 計量分析 / アンケート調査 / ヒアリング / 経済厚生 / 豊かさ |
Research Abstract |
持続可能な経済づくりを目指す取り組みを行う人々に対して、個別にヒアリング調査をおこない、結果をとりまとめた。研究過程で、持続可能なライフスタィルを送る人々や、持続可能な産業に従事する人々の動機と現在の経済活動に焦点を絞って調査を行っている。2008年度は、これまでの研究結果をとりまとめ、これまでインタビューをおこなった対象者に結果を提示し、意見をいただいた。 2007年度に実施したアンケートを分析し、報告書にとりまとめた。研究期間終了後になるが、今後はこの結果の精査をおこない、政策提言へと結びつける予定である。 2008年度は、古紙回収業における持ち去り問題の研究と2006年度におこなったメキシコ調査の結果をとりまとめることを主におこなった。前者は、持続可能な社会を最底辺で支えるであろう、路上生活者などの、行政の仕組みにのらない資源回収業者の動向を調査し、現在すすめられている持ち去り規制では問題の解決にならないことを示した。後者については、持続可能な社会をつくる基盤となる生産基盤に着目し、生産基盤の維持管理活動と、生産基盤の生み出す財やサービスを地域住民がうまく使って、発展を実現していることを示した。 これまでにおこなった調査結果からは、持続可能と思われるライフスタイルを送っている人々も、日常的には環境問題を意識した行動をとっているわけではないことが明らかにされた。むしろ、「自らの望む様に生活する」ことが結果として環境保護につながっている。この結果は、大量消費型の経済ではなくても、幸福な社会を構築することが可能であることを示しているように思われる。今後は、この点についてさらに分析をすすめていく予定である。
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