2007 Fiscal Year Annual Research Report
リーダーの見極めに関する研究-プロジェクトにおける戦略的意思決定の研究-
Project/Area Number |
18730254
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
大森 信 Nihon University, 経済学部, 准教授 (90337824)
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Keywords | プロジェクト・マネジメント / プロジェクト・リーダー / 大型プロジェクト / 意思決定 / 非営利型プロジェクト / 掃除活動 / コミュニティ / 利他と他力 |
Research Abstract |
本研究では、企業におけるプロジェクト活動に注目し、プロジェクト・リーダーの意思決定プロセスおよび他者に対する認知プロセスの解明を目的とした研究である。昨年度の研究初年度の調査結果からは、営利型プロジェクトと非営利型プロジェクトの2種類が存在していること、さらに非営利型プロジェクトのほうが組織の階層や部門を超えて多様な人材を巻き込んでいく傾向があることを見出した。本年度は、昨年度の結果を踏まえて、なぜ非営利型では、多様な知を上手く取り込むことができるのか。さらにプロジェクトを大型化していくことでどのような障害や課題が生じてくるのかを調査・分析することを目標に設定した。 そして非営利型のプロジェクト活動の調査を通じて、非営利型は営利型に比べて、問題が構造化されていること、さらに活動の継続を通じて、利他と他力の精神が組織メンバーに宿ることを発見した。 またこの2点が非営利型プロジェクトの成功に貢献している可能性を見出した。なおこれらの研究成果は、産業経営研究所所報で研究論文として2008年3月31日に刊行された。 一方、大型のプロジェクト活動の調査を通じて、プロジェクトが大型していくに伴って、すぐに利益に直結しないかもしれないような、非営利的な活動の比重が大きくなっていくことを発見した。大型のプロジェクトの成果は、社会的存在感の大きなものが多く、営利的な活動だけでは完結しない部分が増すためである。例えば住宅メーカーが取り組むまちづくりのプロジェクトでは、コミュニティづくりが不可欠となっていた。したがって来年度は、非営利的な活動やコミュニティづくりの活動に焦点をあて、海外事例にも目を向けた研究展開をする計画である。なお本年度の研究過程では、2007年11月25日に神戸大学において報告した。また2008年3月29日に経営戦略学会にて報告した。さらに研究蓄積を活かし、経済集志にても論文を刊行した。
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Research Products
(2 results)