2008 Fiscal Year Annual Research Report
リーダーの見極めに関する研究-プロジェクトにおける戦略的意思決定の研究-
Project/Area Number |
18730254
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
大森 信 Nihon University, 経済学部, 准教授 (90337824)
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Keywords | プロジェクト・マネジメント / プロジェクト・リーダー / 大型プロジェクト / 意思決定 / 非営利的活動 / 掃除活動 / コミュニティ / 利他と他力 |
Research Abstract |
本研究では、企業におけるプロジェクト活動に注目し、特にプロジェクト・リーダーの意思決定について調査研究をした。最終年度である本年度は、前年度までの研究成果を踏まえた上で、研究全体を整理、総括していくことを目指した。具体的には、昨年度はプロジェクトを大型化するに伴って、すぐに利益と直結しないかもしれないような非営利性の高い活動の必要性が高くなっていくことを明らかにした。一昨年度においては、非営利性の高い活動であるほうが、組織の境界を超えて、多様な知を取り込むことができるため、新奇性の高い成果力期待できることも示している。そこで本年度は、大型プロジェクトを成功させていくために鍵となるプロセス、またリーダーに要求される戦略的な意思決定を明らかにすることを目標にした。 そして調査研究の結果、大型プロジェクトを成功させていくためには、営利的な活動と非営利的な活動を並存させていくことが鍵となるプロセスであることを提示した。ただし営利的活動と非営利的活動は、それぞれ異なる精神(エートス)によって支えられている活動であることも示した。さらに活動の非営利性が高まるほど、私から公への精神力弐求められること、より具体的には利己から利他への精神と、自力から他力への精神が求められるとして整理した。つまりプロジェクトを大型化していく企業、ならびにリーダーは、営利性だけでなく、非営利性の高い活動を支える精神をメンバーに扶養していくことが不可欠となる。そしてリーダーの戦略的な意思決定として、非営利性の高い活動を支える精神を扶養する人材の育成と、扶養した人材か否かを見極めて適切に配置をする資源展開が求められることを示した。以上の研究成果は、『産業経営研究』ならびに『経営戦略研究』において研究論文として公刊した。また組織認識研究部会(2008年9月21日)において研究発表した。
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Research Products
(4 results)