2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18730287
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
春日部 光紀 Hokkaido University, 大学院・経済学研究科, 准教授 (10336414)
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Keywords | 複会計システム / 連結会計 / 鉄道業 / 資本連結 |
Research Abstract |
本研究は、19世紀末から20世紀初頭におけるアメリカ連結会計に関して、鉄鋼会社・鉄道会社が実際に公表した年次報告書を検討し、その生成・確立過程を多面的に分析するものである。研究の特徴は、以下のとおりである。 (1) 実際に公表された連結財務諸表を素材とした実証研究ということである。 (2) 財務会計・管理会計・監査という多面的な側面から分析することで、連結会計の発展を統一的に捉えることができる。 (3) 連結会計が社会的認知を得て確立していく過程に関して、会計技術的な発展を解明するだけでなく経済状況や企業の組織形態の変化も併せて分析することで、社会経済における会計の位置づけ、および社会的機能を明確にする。 平成20年度は、19世紀初頭のアメリカ鉄道会社を中心に連結会計の史的展開に関する研究を行った。19世紀末に生じた恐慌により多くの鉄道会社が倒産し、その再建過程においてアメリカ独自め「再編成会計」を確立していくこととなるが、再建後の鉄道会社のなかには、新たな会計システムとして「連結会計」とともに「複会計」を採用していることを発見した。複会計は、イギリス鉄道会社で採用された特異な会計システムであり、アメリカには伝播しなかったというのが一般的な見解であるが、アメリカ鉄道会社が複会計を採用していたことをつきとめるとともに、複会計という会計システムの構造上、資本連結等、連結会計の確立に寄与したことを検討した。 研究成果としては、日本経営会計学会第9回全国大会(於 : 日本大学経済学部)での研究発表、論文「アメリカ鉄道会社における複会計システム」『経済学研究(北海道大学』第59巻第1号、2009年、45-56ページ、を執筆している。
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