2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18730294
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
宮脇 秀貴 Kagawa University, 経済学部, 准教授 (20294746)
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Keywords | コーチング / エンパワーメント |
Research Abstract |
エンパワーメントを行う側とされる側に分類し、「エンパワーメントを行う側の内面」から、経営者や管理者がエンパワーメントを用いて、組織成員へいかに影響を与えるかを、人の記憶の改変性に焦点を当てて考察した。 まず, 最新の脳科学の知識を整理し, 私たちの脳は, ありのままの情報や記憶を再現するのではなく, 情報や記憶を補正あるいは再構成を行っていること, そして, 人の無意識が意識的な思考や行動に深くかかわっていることを示した。次に, Zaltman(2003)の「心-脳-体-社会」の相互作用プロセスを, 組織内のマネジメントに活用できるか否かを検討した。メタファーを用いて組織成員の無意識に眠る思考や記憶をあぶり出し、コンセンサスマップとして図示し、これを解読し活用できれば, 組織成員の考えや行動に影響を与えることができることを明らかにした。最後に, コーチングを用いたケースのコンセンサスマップを作成・分析し、コーチングと深層インタビューの接点を探り, エンパワーメント型会計情報の活用の仕方を検討した。 以上の考察を通じて、まず、コーチングと深層インタビューを融合することで、コンセンサスマップの組織内での活用可能性を示した。組織成員と日頃から接している管理者が, コーチとしての役割に加えて, 深層インタビューを用いて組織内のコンセンサスマップを作成することができれば, 組織成員の考えや思考に影響を与えることができることを明らかにした。次に、エンパワーメント型会計情報の有効性や効果を測定する手段としてコンセンサスマップの活用を示した。これまでの研究では、具体的にエンパワーメント型会計情報の有効性や効果を測定する手段は, インタビューやアンケートなどの意識が反映した調査手段しかなかったが, 深層インタビューを用いて無意識の思考や記憶を明らかにすることで, 真の「会計情報」の役割や効果などを明らかにできることを示した。
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Research Products
(1 results)