2006 Fiscal Year Annual Research Report
学級内の集団構造が学業への動機づけに及ぼす影響過程に関する縦断的研究
Project/Area Number |
18730412
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Research Institution | Aichi University of Education |
Principal Investigator |
石田 靖彦 愛知教育大学, 教育学部, 助教授 (10314064)
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Keywords | 教育系心理学 / 仲間集団 / 動機づけ / 社会的影響 / 縦断的研究 |
Research Abstract |
本研究では,積極的な学習行動に及ぼす要因として,学級における評価基準の認知(学級においてどのようなことが評価され重視されているかという認知)とその評価基準に対する自己効力感(学級において評価され重視されているものをどの程度遂行できる自信があるか)を想定し,(1)学級における評価基準の認知とその基準に対する自己効力感が積極的な学習行動に及ぼす影響と,(2)自己効力感や学習行動に及ぼす仲間集団の影響について,中高生188名を対象にした縦断的データを用いて検討した。 その結果,(1)学級において努力が評価,重視される場合には積極的な学習行動が促進されるが,教師との関係が評価,重視される場合には積極的な学習行動は阻害されること,また努力,成績,教師との関係に関する自己効力感が高いほど積極的な学習行動は促進されることが示された。さらに努力の重視が積極的な学習行動に及ぼす影響は,努力に関する自己効力感の高さによって違いが認められ,その促進効果は努力に関する自己効力感が低い生徒に顕著に認められることが示された。 (2)仲間集団の形成については,成績に関する自己効力感や学習行動の積極性において友人同士の類似性の効果が認められ,成績に関する自己効力感や学習行動の積極性の高さが類似した生徒同士ほど仲良くなりやすいことが示された。ただし,自己効力感や学習行動に及ぼす仲間集団の影響については顕著な結果は示されず,所属する仲間集団によって自己効力感や学習行動が影響を受けるという結果は認められなかった。
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Research Products
(1 results)