2006 Fiscal Year Annual Research Report
ベイズ統計を用いた、少数受験者科目に適用する項目反応モデルの改良
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18730430
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Research Institution | The National Center for University Entrance Examinations |
Principal Investigator |
橋本 貴充 独立行政法人大学入試センター, 研究開発部, 助手 (20399489)
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Keywords | 大学入試 / テスト理論 / ベイズ統計 |
Research Abstract |
大学入試センター試験は、問題が年度ごとに標準化されているわけでもなければ、受験者集団も、社会情勢、教育課程、センター試験利用大学の変化などのために、毎年必ずしも同じであることが保証されているわけではない。そのような場合に、同じ母集団からの標本抽出を仮定し、異なる年度のテストの得点を同じ尺度であるとみなして分析を行うと、誤った結論を導くおそれがある。そこで、まず、研究開発部が行っているモニター調査のデータを用いて、異なる年度の試験問題や母集団の場合でも、100人程度の規模で妥当な推定を行うことが可能であるかどうかを検討した。その結果、各年度の受験者を1つ1つの標本としてベイズ推定を行っても、妥当な結論が得られるとは限らないということがわかった。したがって、研究目的にある「事前分布の積極的な活用」において、過去年度のデータから事前分布を作ることは、必ずしも妥当ではない可能性があることが示唆された。 次年度以降は、モニター調査ではなく実受験者のデータについても同様のことが言えるのかどうかを調べるとともに、モニター調査と試験問題を共有する、実受験者のデータとモニター調査受験者のデータとを用いて、小規模データと大規模データとの対応関係を確認し、実際の小規模データに適用するためには、大規模な他科目のデータをどのような形で利用できるのかについて、より詳細に検討し、実際の推定方式作成に役立てる準備を行う予定である。
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Research Products
(1 results)