2007 Fiscal Year Annual Research Report
ベイズ統計を用いた、少数受験者科目に適用する項目反応モデルの改良
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18730430
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Research Institution | The National Center for University Entrance Examinations |
Principal Investigator |
橋本 貴充 The National Center for University Entrance Examinations, 研究開発部, 助教 (20399489)
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Keywords | 大学入試 / テスト理論 / ベイズ統計 |
Research Abstract |
大学入試センター試験の受験生は50万人にも達するため、大学入試センターにおいては、大規模データのための研究が注目されることが多い。しかし、実際には、別冊子による科目など、大規模とは言いがたいデータもしばしば見られる。そこで、本研究では、現実のテストに合わせた柔軟なモデルを提案し、そのモデルは受験者数が少数であっても十分に推定可能なものであるとすることを目的とする。 この目的を達成するために、本研究ではベイズ統計の事前分布を積極的に活用する。まず、従来の正規分布に基づく方法は、中心極限定理を用いてそれを利用できるように、大規模なデータ収集を前提としている。そこで本研究では、正規累積モデル、およびその近似であるロジスティックモデルの代わりに、より記述的、つまり大規模データも小規模データも記述可能である、ニューラルテストモデルを利用する。ただし、ニューラルテストモデルはまだ利用可能な環境が十分に整っていないため、まずその利用環境を整備する必要がある。そこで今年度は、ニューラルテストモデルに基づき、項目、受験者集団、および個々の受験者の特性を分析するプログラムと、これらの任意の特性からニューラルテストモデルに基づいて人工データを発生させるプログラムを作成した。 次年度は,シミュレーションにより,ニューラルテストモデルを用いて少数受験者科目の分析を行った場合の精度について検討し,最後に,得られた知見を用いて,数学および英語の少数受験者科目の項目の性質についての予測と評価を行う予定である。
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Research Products
(1 results)