Research Abstract |
平成19年度は,課題を配信するためのホームページのデザインと,具体的なコンテンツについて検討し,専門技術者とともに準備,開発を行なった。 まず,サイトには登録制と非登録制のページを設け,リハビリテーションは登録制のページで実施できるようにした。これは,個々人のペースに合わせてリハビリテーションができるようにするためである。登録された個人ごとのページの作成を可能にするため,データベースをレンタルし,リハビリテーション課題の成績や実施を,個人ごとに管理できるよう環境を整えた。課題については,注意の課題を具体的に考案し,テストプログラムを開発した。また,記憶の外的補償方略の一つとして,パソコン上でのスケジュール管理について検討し,様々な高次脳機能障害の様相に対応できる構成を考案した。ホームページ全体のデザインや構成については,高次脳機能障害者が利用しやすい環境を提供できるよう工夫した。実際のサイトの公開は20年度前半になる予定である。 さらに,わが国の認知リハビリテーションの現状について把握するため,その動向についてまとめ,福山大学人間文化学部紀要第8号に掲載した。近年,リハビリテーションの臨床現場においては,診療報酬の改定などによって早期リハが求められているため,より効率的で効果的な方法が求められている。亀田他(2007)は,ドイツのmaker software社によるCOGPACKを参考に,認知症を対象としたリハビリテーションゲームソフトの開発を試みており,この研究は,本研究とも大きく関連すると考えられ,今後の課題作りの具体的な参考になった。パソコンとインターネットを利用した本研究は,効率的なリハビリテーションを提供する手段の一つであると考えられる。
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