2006 Fiscal Year Annual Research Report
鑑賞教育を支援する「デザイン・ライブラリー」システムの開発研究
Project/Area Number |
18730535
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
齋藤 学 山形大学, 地域教育文化学部, 助教授 (50296034)
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Keywords | 美術教育 / 鑑賞 / デザイン / 工芸 / 教材開発 |
Research Abstract |
現行の学習指導要領において,小学校・中学校・高校を通して「鑑賞」による学習の充実が求められている。特に,「デザイン」や「工芸」に関する鑑賞については,日常生活において使用する製品や作品がその対象として取扱われることから"見るだけの鑑賞"ではなく"実際に使ってみる鑑賞"の機会が必要であり,そうした鑑賞活動を支援するための作品貸出システム『デザイン・ライブラリー』の開発と実践的検証を本研究の目的としている。 18年度は,システム開発に向けての基礎データの収集として,中学校におけるデザイン・工芸に関する鑑賞教育の現状と,「作品貸出サービス」に対するニーズの把握を計画した。(実地調査に先立ち,作業の効率化と回答率の向上を図るために,予備調査としてのモデル教材の開発・検証[19年度計画分]を先行させ重点的に行った。) 調査は,山形大学附属中学校(2年生158名)の協力を得て,約20脚の実物のデザイナーズ・チェア(名作椅子)を用いて"見るだけの鑑賞"と"実際に使ってみる鑑賞"の場面を授業の前段に設定し,「用と美の関係」をテーマに10時間計画で実施した。授業毎の学習ノートの解析から,鑑賞(実際に使用した体験)の有無による選好特性の変化と,学習目標に対する効果について検証を行った。 平行して,優れたデザイン(製品)を対象に展示公開している施設の展示方法(解説項目),ならびに各教科書出版社のデザイン・工芸鑑賞のための解説資料等を調査・分析し,鑑賞活動に用いる作品情報の要件に関する評価を行っている。 これらの調査結果をもとに,モデル教材(椅子・器・スプーン)を加えた本調査用webシステムを設計し,『デザイン・ライブラリー』システムの一部として試作を行った。
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