2007 Fiscal Year Annual Research Report
鑑賞教育を支援する「デザイン・ライブラリー」システムの開発研究
Project/Area Number |
18730535
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
斎藤 学 Yamagata University, 地域教育文化学部, 准教授 (50296034)
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Keywords | 美術教育 / 鑑賞 / デザイン / 工芸 / 教材開発 / 産学連携 |
Research Abstract |
現行の学習指導要領において,小学校・中学校・高校を通して「鑑賞」による学習の充実が求められている。特に,「デザイン」や「工芸」に関する鑑賞については,日常生活において使用する製品や作品がその対象として取扱われることから"見るだけの鑑賞"ではなく"実際に使ってみる鑑賞"の機会が必要であり,そうした鑑賞活動を支援するための作品貸出システム『デザイン・ライブラリー』の開発と実践的検証を本研究の目的としている。 19年度は,デザインあるいは美術教育の関連学会,ならびに山形県内における現職教員(小学校・高等学校教員を含む)の研修機会において,18年度に実施した予備調査を基づく教育効果と選定教材の有効性に関する検証を重ねた。18年度に実施した「椅子」の鑑賞教材に加え,「はさみ」および特定デザイナーの開発製品」等についても検討を加えているが,結果的に「椅子」の優位性とニーズの高さが認められたことにより,20年度のシステム始動に向けての貸出し教材を「椅子」に絞込み,形状・材質・歴史・デザイナー等の条件を鑑み,最終教材の選定を完了している。 また,学会ならびに関連展覧会,体験型研修会(ワークショップ)等の実地調査において,大都市部を中心に,民間(企業および任意団体等)でのデザインに関する学習機会の提供は確実に増加傾向にあることを把握している。しかし,学校おいては,これらのサービス利用のための受け入れ環境が整備されておらず,展示揚所の確保や管理の安全性に関わる問題も明らかになった。この結果を踏まえ,学区内の公共施設(公民館等)との積極的な協力体制の構築についても次年度の課題に加えることとした。 なお,20年度の貸出しに際して,購入が適わなかった教材の貸与と,各学校への配送(搬出入)につ1いては,地元家具メーカー(株式会社多田木工)の協力が得られたことから,産学連携による事業の継.続性についても検討を加えていくこととする。
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Research Products
(1 results)