2008 Fiscal Year Annual Research Report
鑑賞教育を支援する「デザイン・ライブラリー」システムの開発研究
Project/Area Number |
18730535
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
斎藤 学 Yamagata University, 地域教育文化学部, 准教授 (50296034)
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Keywords | 美術教育 / 鑑賞 / デザイン / 工芸 / 教材開発 / 産学連携 |
Research Abstract |
現行の学習指導要領(平成10年12月改訂)において, 小学校・中学校・高校を通して「鑑賞」による学習の充実が求められている。特に, 「デザイン」や「工芸」に関する鑑賞については, 日常生活において使用する製品や作品がその対象として取扱われることから"見るだけの鑑賞"ではなく"実際に使ってみる鑑賞"の機会が必要であり, そうした鑑賞活動を支援するための作品貸出システム『デザイン・ライブラリー』の開発と実践的検証を本研究の目的としている。 20年度は, これまでの検証により得られた課題を基に, 実際に複数の中学校をモデルとした授業実践を通してシステム運用の検証を行った。課題のひとつであった, 学校における展示空間および管理上の安全確保については, 米沢市上杉博物館の協力を得て約1ヶ月の展示期間を設定することができ, この期間中に近隣中学校/米沢市立第二中学校の授業実践による検証と, その成果を基にした域内教員研修会(置賜地域)において授業評価を行った。なお, 教材に用いた「椅子」約30脚のうち6脚は, 地元家具メーカー(株式会社多田木工製作所)の協力を得て借用・搬送を行い, 加えてもうひとつの課題であった遠隔地/南陽市立吉野中学校へのアウトリーチ(ローン・サービス)についても, 上杉博物館との連携において, システム運用時のスケジュール調整および費用のシミュレーションについて検証を行っている。 なお, "見る鑑賞"や"触れる鑑賞"に比べ「椅子」を用いた「身体感覚(全身)を通しての実感」がともなう鑑賞の学習効果(特徴・優位性)について複数の学会において報告し, 絵や彫刻の鑑賞実践に比べデザイン領域の研究事例の少なさも含め, その先進性に対して評価を得ている。本研究の成果をもとに, Webによる支援環境の拡充も含め, 県内全域への普及と利用拡大を図っていく。
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Research Products
(4 results)