2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18740012
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
朝倉 政典 九州大学, 大学院数理学研究院, 助手 (60322286)
|
Keywords | ホッジ理論 / 混合モチーフ / レギュレーター / 代数K理論 |
Research Abstract |
本年度、代数多様体の代数K理論について研究を行った。特に局所体上定義された代数曲線のK_2群について詳しく研究を行い、成果を得た。まず、局所体上定義された楕円曲線について、レギュレーター写像の全射性について研究した。これはSouleらによってCM楕円曲線の場合には調べられていたが、そうでない場合はほとんど未開拓であった。私はその場合を積極的に研究し、同様な全射性が成り立つことを示した。今後は私のレギュレーターの計算結果を使って、L関数の特殊値との対応、いわゆるBeilinson予想への貢献が課題である。一方で、種数が2以上の場合、つまり楕円曲線でない場合のレギュレーターについても同様な結果を見越して研究した。ところが、驚くことに、局所体上の種数2以上の十分一般な代数曲線については、レギュレーター写像の全射性が成り立たないことが分かった。この結果は斎藤秀司氏との共著としてすでに書き上げてあり、現在投稿中である。これは、多くの人々の予想に反した結果である。われわれの結果によれば、0サイクルのなすチャウ群のねじれ元が無限個存在することもわかる。すでに広く知られている有名なブロック・加藤予想によれば、代数体上定義された代数多様体についてはこのようなことは起こらない、とされている。われわれの結果は局所体上定義された一般の代数多様体でありそれは代数体を基礎体に持ち得ない。従って、ブロック・加藤予想の直接の反例を与えるものではない。しかるに、われわれの観測では、代数体上の代数多様体についても同様な反例が存在しそうである。そのような反例の構成は今後の課題であり、大きな挑戦でもある。
|
Research Products
(3 results)