2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18740029
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
山田 裕一 The University of Electro-Communications, 電気通信学部, 准教授 (30303019)
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Keywords | 3次元多様体 / レンズ空間 / デーン手術 / 4次元多様体 / 結び目 / 特異点諭 / 平面曲線 / 伜付き絡み目 |
Research Abstract |
3次元球面内の結び目に沿うデーン手術(Dehn surgery)でレンズ空間が生じる"例外的な"現象は「レンズ手術」と呼ばれ、低次元多様体論・トポロジーの研究課題となっている。筆者が2003年度から進めている研究は「多くのレンズ手術はA' Campoが定義したdivide knot(特異点論に由来)であり、対応する平面曲線は『L型の領域に沿って斜めの格子を切り取った形状』をしている」という現象の詳細である。今年度は、まずこの研究の核心にある豊富な具体例についての論文を完成し投稿に至った。 最新の研究成果の交流を目的として、世話人として国内の研究集会を年内に2つ開催した。キャッソンハンドル・ゲージ理論など広範囲の4次元多様体論を対象にしたものなので、今後多方面への発展が期待できる。日程の都合で海外の集会には参加できなかったが、国内で開催された「第4回 East Asian School of knots」の現地世話人を務め、海外の研究者の記憶に残る活動はできたと思っている。 4次元多様体論で近年盛んに議論されている「有理ブローダウン」はレンズ空間に沿う切貼りであるが、6月に専門家J. Park教授(韓国)の集中講義を聞いて筆者の研究との関係に気がつき、早速それを指摘する論文を執筆し投稿した。そこで述べたレンズ空間の"意外な"構成法は、12月にデーン手術に関する研究(市原-斉藤)で引用された。位相不変量の研究としても興味がある。広島大の研究集会でそれも含めた最新情報を報告した。
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