2008 Fiscal Year Annual Research Report
離散凸解析アプローチに基づく非線形整数計画問題の実用的解法の研究
Project/Area Number |
18740042
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
塩浦 昭義 Tohoku University, 大学院・情報科学研究科, 准教授 (10296882)
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Keywords | 離散凸関数 / 非線形計画 / 整数計画 / アルゴリズム / 凸解析 / 凸関数 / マトロイド / 劣モジュラ関数 |
Research Abstract |
本研究の最終目的は, 離散凸解析における技法を用いることにより, 非線形整数計画問題の良質な近似解を実用的な時間内に求めるアルゴリズムを提案することである. 離散凸解析における既存の研究は, 主に「解きやすい」非線形整数計画問題に注目していた. これに対し, 本研究課題では, 「離散凸近似」という手法を通じて, 離散凸解析の枠組みを「解きにくい」非線形整数計画問題へ拡張する, というアプローチをとる. 本年度の研究成果は以下の通りである. まず, 昨年度に引き続いて「劣モジュラ関数の最大化」という計算困難な問題に対する研究を行なった. 昨年度の研究では, M凹関数の和で表現できる関数に対し, 高精度な近似を多項式時間で行なうことが可能であるという結果を示したが, 本年度はより一般の劣モジュラ関数に対して可能かどうかを検討した. 特に, 整数格子点上で定義される関数については, ある程度の仮定を置かないと多項式時間での近似は困難であるが, 妥当な劣モジュラ関数のクラス及びそれに対するアルゴリズムについて検討を行なった. また, 本年度はM凸関数の近接定理について再検討を行なった. M凸関数の近接定理については, 過去の論文において幾つかの結果を発表しているが,今年度の研究においては, より詳細な解析を行なった. その結果, M凸関数最小化問題の最適解と, その緩和問題の最適解との間の距離のより厳密なバウンドを証明することに成功した. この結果の一部については既に論文にまとめ, 現在は論文誌に投稿中である.
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Research Products
(4 results)