2007 Fiscal Year Annual Research Report
き裂や角を含む領域における(粘)弾性体方程式の解析
Project/Area Number |
18740067
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
伊藤 弘道 Gunma University, 大学院・工学研究科, 助教 (30400790)
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Keywords | 偏微分方程式 / 破壊力学 / 弾性体 / き裂 / 逆問題 / 非破壊検査 |
Research Abstract |
1. き裂進展方向の予測問題を解析するために、屈折き裂を含む線形弾性板領域における定常問題の解の性質について考察した。この問題は特異型積分方程式で表現でき、その解の表現を得る事が重要である。そこで群馬大学齋藤三郎教授との共同研究によって一般の線形特異型積分方程式に対する近似解を構成する方法を提案し、その結果は共著論文としてInternational Journal of Applied Mathematics&Statisticsに掲載された。しかしこれによる問題解決には数値解析的手法が必要であり、現在研究中である。 2. 破壊現象の理論的解析のために、Texas A & M UniversitvのK. R. Rajagopal教授と非線形弾性体モデルについての共同研究を行った。その結果、今まで理論的研究の主流であった線形弾性体よりも適用範囲の広い新しい非線形弾性体モデルについての知見を得た。そして、き裂を含む場合においてそのモデルの境界値問題に対する弱解の一意存在性を示した。さらにき裂先端における解の挙動についても考察しており、それらの結果について現在論文執筆中である。 3. 非破壊検査に関わる境界値逆問題について、群馬大学池畠優教授の囲い込み法を援用し、考察した。具体的には、2次元非等方均質線形弾性体に含まれる線状き裂の位置を、物体にある表面力をかけ、その境界の一組の観測データから一意的に特定できる事を示した。その際、加える表面力については応力拡大係数がゼロでないという仮定よりもより一般的な枠組みで考察した。この結果は池畠氏との共著論文としてInverse Problemsに掲載された。またき裂だけでなく多角形の欠陥を再構成する問題についても研究中であり、現在までに多角形欠陥を含む領域における線形弾性体方程式の境界値問題の角の近傍における級数解を構成した。
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Research Products
(9 results)