2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18740206
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
小手川 恒 岡山大学, 大学院自然科学研究科, 助手 (30372684)
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Keywords | NMR / 高圧セル / 低温 |
Research Abstract |
希釈冷凍機に取り付け可能なサイズの高圧セルの開発を行った,NMR測定に用いるため試料空間は大きいほど良い.現在,NMR測定に用いられる高圧セルのほとんどはピストンシリンダー型セルであり,その最高到達圧力はNiCrAlとCuBeのダブルシリンダーを用いた場合,約3GPaである.より高圧が発生可能な圧カセルを目指し,インデンター型圧力セルをべ一スにして,A.Φ1.6mmx1.6mmとB.Φ3mmx3mmの2種類のセルの開発・改良を行った.インデンター型圧力セルは,ホールピース部(NiCrAl)に空けた試料空間となる穴(Φ1.6mmx1.6mm)に,先端が円錐状のインデンター部(non-magnetic WC)を埋め込み圧力を発生させる.その最高到達圧は約4.5GPaである. A.Φ1.6mmx1.6mmの場合,インデンター部(non-magnetic WC)の先端の角度を90度から80度,70度に変化させることによって約5GPaの加圧に成功した.まだ荷重を増やす余地があり,更なる到達圧力が期待できる. B.Φ3mm×3mmの場合,試料空間が大きいため圧力発生により大きな荷重が必要となるため,ホールピース部(NiCrAl)とインデンター部(non-magnetic WC)の接触部分にCuBeを用い,低荷重で圧力を発生させることに成功した.現在のところ,到達圧力は3.5GPaであり,少なくともピストンシリンダーの最高圧(約3GPa)を超えている.こちらも更なる改良の余地があり,到達圧力の向上が期待できる.
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