2008 Fiscal Year Annual Research Report
多成分ボースアインシュタイン凝縮体におけるソリトンと位相欠陥の物理
Project/Area Number |
18740213
|
Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
笠松 健一 Kinki University, 理工学部, 講師 (70413763)
|
Keywords | ボースアインシュタイン凝縮 / 超流動 / 冷却原子 / 量子渦 / 光格子 |
Research Abstract |
原子気体Bose-Einstein凝縮体(BEC)における量子渦とソリトンの構造とダイナミクスに関して以下の内容を明らかにした。 1, 回転する非常に深い2次元光格子ポテンシャルに閉じ込められたBose-Einstein凝縮体の振る舞いは、フラストレーションを持つXYモデルハミルトニアンにマッピングできる事を示し、基底状態の構造をMonte Carloシミュレーションにより明らかにした。 2, 回転ポテンシャル中の相分離した2成分BECの安定な渦状態をGross-Pitaevskii方程式の数値計算と解析的モデルを用いて議論した。この時の安定状態は2成分の境界に量子渦が一次元的に配列した渦シート構造が安定化し, 特徴的な長さのスケールはドメインの表面張力と渦による運動エネルギーのつり合いで決まることを明らかにした。 3, 原子気体BECの量子渦上に励起されるケルビン波の横方向の不安定性(ドネリーグラバーソン不安定性)を微視的視点より議論し, 熱力学的ポテンシャルの極小の消失に伴うランダウ不安定性により理解される事を示した。数値計算によりその不安定性を介して渦格子状態は量子乱流状態に発展することを示した。
|