2006 Fiscal Year Annual Research Report
バングラデシュにおけるプレモンスーン期のメソ擾乱の特性とその要因の研究
Project/Area Number |
18740296
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
木口 雅司 東京大学, 生産技術研究所, 産学官連携研究員 (30422918)
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Keywords | プレモンスーン / バングラディシュ / メソ擾乱 / 降水現象 / 竜巻 / 日周期 / データ解析 |
Research Abstract |
研究計画初年度の平成18年度は,主に3つのことを行った.データの取得・データベース化,初期的な解析,プレモンスーン期の集中観測の準備である. これまでのバングラデシュ気象局が業務として行っているバングラデシュ国内33箇所の官署の雨量観測データ(3時間雨量)や首都ダッカにおける高層気象観測におけるデータをこれまで築いたバングラデシュ気象局およびその所轄官庁である国防省との信頼関係を利用し,実費のみで提供していただいた.それらのデータを整理し,データベース化した.そのデータは,容量が大きいため,本研究費で購入した外付けハードディスクを使用した. 上記でまとめられたデータと本研究が開始する以前までの蓄積されたデータから初期的な解析を行った.目的は,平成19年度に実行する予定の集中観測を効率的に行うための戦略を立てるためである.これらの結果は,水文・水資源学会及び日本気象学会で発表予定である.3時間降水量データから,プレモンスーン期の降水が夕方に多く降っていることがわかった.また地域性は特になく,バングラデシュ全体で降水現象が多くみられた.プレモンスーン期のバングラデシュにおける大気状態が不安定であることは,客観解析データで示されていたが,観測データから初めて示すことができた.さらにメソ擾乱が発生した時の大気状態を調べることで,メソ擾乱の仕組みを明らかにすることができる.また,上記の結果より,集中観測の時間を夕方中心に組む計画にし,メソ擾乱を捉える観測態勢を整えることができた. 最後に,プレモンスーン期の集中観測の準備であるが,政治情勢などの問題から難航したが,2度の訪問による協議の結果,全面的な協力をいただけることとなった.試験観測を2度目の訪問の際に行い,機材の搬入も滞りなく完了した.4月中旬から5月中旬に集中観測を行う予定である.
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