2006 Fiscal Year Annual Research Report
高温型斜方輝石とエンスタタイト-ディオプサイド系の相図
Project/Area Number |
18740337
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
三宅 亮 京都大学, 大学院理学研究科, 助教授 (10324609)
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Keywords | エンスタタイト / 高温その場観察 / 相転移 / 構造解析 |
Research Abstract |
平成18度は、まず合成試料の相の解析や高温その場観察実験を行うために必要となる顕微鏡用加熱ステージ(英国リンカム社製・10016・〜1500℃)を新規に購入し、温度較正を行った。高温型への相転移は1200℃付近で起こると計算機シミュレーションにより推測されている。そのため、1000℃以上の高温での温度較正は非常に重要である。そして、既存施設である光学顕微鏡・顕微赤外分光・ラマン分光装置などに取り付けられるように周辺機器との関係を整備した。 並行して、第一の目的である「高温型斜方輝石の存在の有無を確認する」ために、エンスタタイトの合成実験を、既存のマッフル炉および電気炉を用いておこなった。このとき、高温型斜方輝石の安定領域は非常に狭く、プロトエンスタタイト又はピジョナイトが簡単に混入するため、「フォルステライト+高温型斜方輝石+液相」の安定領域で合成することで解決した。合成した試料の相の解析や組成の均一性の確認、双晶の有無などは既存の光学顕微鏡、粉末X線回折装置、走査型電子顕微鏡(EDX,EBSD)および透過型電子顕微鏡(電子回折,EDX)を用いて行った。合成した試料を、高エネルギー加速器研究機構物質構造科学研究所放射光科学研究施設(PF)において、高温その場観察実験を行った。現在、その結果の解析中である。 また、平成19年度に研究予定である、高温型斜方輝石が関与している・相として出現している可能性の高い高温条件まで経験した可能性の高い天然試料、小笠原諸島に産出するボニナイトや東南極大陸のナピア岩体に産する超高温変成岩、隕石などの収集を開始した。
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Research Products
(1 results)