2006 Fiscal Year Annual Research Report
新規な蛋白質三次構造決定法の開発とアミロイド凝集体の毒性発現機構解明への応用
Project/Area Number |
18750003
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
平松 弘嗣 東北大学, 大学院・薬学研究科, 助手 (90419995)
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Keywords | アミロイド線維 / 赤外吸収スペクトル,FT-IR / 紫外共鳴ラマンスペクトル / アミロイドβ |
Research Abstract |
遷移双極子相互作用によるカルボニル基の振動数シフトと分子構造の関係を明らかにすることを目的として、βターンを形成する配列^1KTwNpATGKwTE^<12>を用いて実験を行なった。実験には(a)同位体置換を行なわないもの、(b)Proの主鎖カルボニル基に^<13>C同位体置換を行なったもの、(c)Alaの主鎖カルボニル基に^<13>C同位体置換を行なったもの、の3種類を用いた。同位体置換を行なった残基はβターンの折り返し部分に相当する。重水中ATR法を用いて^<13>C=O伸縮振動数を測定したところ、各々の場合において、^<13>C=O基の伸縮振動バンドは^<12>C=Oの振動数と重なる領域(殻1650cm^<-1>)に観測された。この結果はβターンに含まれる^<12>C=O基の伸縮振動数が〜1680cm^<-1>に現れることに対応すると考えられる。 アミロイドβに関して、既報による実験条件のもと、単量体、針状凝集体、2量体、8量体、>16量体、のそれぞれを培養した。円偏光二色性測定より、単量体は典型的なランダム構造、針状凝集体は典型的なβシート構造をとることを示すのに対し、オリゴマーはそれぞれランダムおよびβシートのいずれとも異なる構造を持つことが示唆された。また、蛍光および紫外共鳴ラマンスペクトルから、構造め特徴がTyr側鎖に見られることが明らかになった。これらの結果はオリゴマーの主鎖ならびに側鎖構造が単量体とも針状凝集体とも異なるものであるという特徴を示すものである。
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