2006 Fiscal Year Annual Research Report
イミン又はニトリルからの触媒的ナイトレン錯体生成法の開発とその合成反応への利用
Project/Area Number |
18750028
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
鷹谷 絢 東京工業大学, 大学院理工学研究科, 助手 (60401535)
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Keywords | ナイトレン / オキシム / インドール |
Research Abstract |
イミン又はニトリルからの触媒的ナイトレン錯体生成法を確立するにあたり、まずこれらの類縁体であるオキシム誘導体からの触媒的ナイトレン錯体形成について検討を行った。オキシム誘導体は炭素-窒素二重結合を有し、かつ窒素原子上には脱離基となりうる酸素原子を有している。そこで、適切なオキシム誘導体に対し炭素求核剤(遷移金属反応剤)を作用させれば、オキシム炭素上への求核付加が進行することで遷移金属アミド錯体が生じた後、遷移金属からの電子の押し込みによってオキシム酸素が脱離することで、ナイトレン錯体が形成されるものと考えた。また、生じるナイトレン錯体は、分子内の適切な位置に反応部位を有するオキシムを設計することで効率的に補足できるものと考えた。このような考えに基づき、種々のオキシム誘導体に対し、アリールホウ酸エステル類とロジウム、銅触媒からトランスメタル化により生じる求核的アリールロジウム、銅反応剤を作用させた。その結果、O-メチル-1-フェニルアセトフェノンオキシムに対し、塩基としてt-ブトキシカリウム存在下、フェニルホウ酸エステルとロジウム触媒を作用させたところ、2-フェニルインドールがその3位で酸化的二量化を起こした生成物が中程度の収率で得られることがわかった。またその後の検討により、本反応にロジウム触媒、ホウ酸エステルは関係なく、t-ブトキシカリウムを作用させるだけで同じ生成物が生じることがわかった。現在反応機構として、塩基によってオキシムのα位水素が引き抜かれて生じるN-カリウムエナミンから、メトキシ基のα脱離によりナイトレン中間体が生じ、これが分子内の適切な位置にあるベンゼン環を含んだ電子環状反応を起こす、またはベンゼン環の炭素-水素結合への挿入を起こすことで2-フェニルインドールを与え、これが酸化的二量化を起こしたものと考えている。今後、本反応の反応機構の解明ならびに、目的の炭素求核剤の付加によるナイトレン形成を目指し、検討を行っていく予定である。
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Research Products
(3 results)